文化的放電

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夢で会いましょう♪/大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第3回「挙兵は慎重に」ネタバレ感想

ついに始まりました!

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』!

実は、大学で平安時代末期から鎌倉時代中期を勉強していました。まさに『鎌倉殿の13人』の時代です。

この時代の内乱といえば「治承・寿永の乱」(源平合戦などの呼び名がありますが、正式名称はこれです)
この乱を元にした軍記物『平家物語』や『義経記』(他にも色々)は、テンポの良いスピード感のある群像劇です。

それぞれの事情を抱えた登場人物がいくえにも交錯しいつの間にやら大団円をむかえる『有頂天ホテル』などの三谷作品と相性ぴったりだな〜、三谷さんで『平家物語大河ドラマやってくれないかな〜とずーっと妄想してました。
なので、『鎌倉殿の13人』制作決定のニュースを聞いたときには、「さすがNHKの企画力」…!と感動しました。

2年近くワクワクしていた大河ドラマなのです。

第3話「挙兵は慎重に」

治承4年(1180)4月、源頼朝(大泉洋)と引き離された八重(新垣結衣)伊東祐親(浅野和之)の家人・江間次郎(芹澤興人)の元へ嫁がされていた。対岸の江間館を見つめる北条義時(小栗旬)。そんな折、頼朝の叔父・行家(杉本哲太)が北条館を訪ねてくる。怪しがる政子(小池栄子)。しぶしぶ対面する頼朝だが、行家平清盛(松平健)へ反旗を翻した後白河法皇(西田敏行)の御子・以仁王(木村昴)令旨りょうじを携えていた……

あらすじ 第3回「挙兵は慎重に」 | NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」

八重の嫁ぎ先の立地が……

北条家の対岸に住んでいる八重が、頼朝と政子の子どもが育っていくのを見せつけられているのがふびんでした。

歴史上では年表一行だけに登場する人物でも、年表に登場する前後の人生をしっかり描いているのが三谷大河の魅力だと思っています。

今はさびしい表情ばかりの八重ですが、これから何を見届けていく役割をになっているんでしょうか。

頼朝から本心を打ち明けられる義時、頼朝の本心を見抜く政子

第2話でいつか平家を打倒するという本心を義時だけには打ち明けた頼朝。

今話でも以仁王の令旨に対して静観する本当の理由、自分が源氏の棟梁としてたたなければ意味が無いことを、義時だけに話します。

2話続けて自分だけに本音を話す頼朝をちょっと邪険にする義時が面白い。当時の情勢を考えると、そんな重い話を自分だけにするのは勘弁してくれって気持ちもわかる。

一方、政子は洞察力で頼朝の本心を見抜く。頼朝は本当は挙兵したいはず。「そんなの見ていればわかります」って清々しくてかっこいい。

文覚が置いていった誰のかわからないドクロを手に頼朝に挙兵を決心させる政子の姿に後の承久の乱での演説の期待が高まる。小池栄子のおそらく意図的な目をまん丸にする演技がいい。

政子の熱意が頼朝を動かしたのは、きっと政子が「頼朝の本意を叶えるために」話しているからなんでしょうね。政子は頼朝が挙兵したくないんだったら挙兵を迫ったりしなかったんだろうな。

すかさず国衙で収集した木簡を元に、動員可能な兵力算出する義時。この兄弟、バランス取れてますね。宗時が頼朝の信頼を勝ち取るのはいつになるんだろう…。

徹底した主人公目線

殿と同じ三谷脚本大河『真田丸』では、主人公が立ち会っていない歴史上のできごとは極力えがかない、という方針がつらぬかれていました。(30秒で終わった関ヶ原の合戦は伝説)

今回の大河でも、三谷さんのその信念を感じます。(清盛の様子がちょろっと出てくるけど)

治承・寿永の乱のトリガーとなる以仁王の挙兵が、三善康信から頼朝に充てられた2通の手紙で語られました。

以仁王からの挙兵の令旨に対して静観を決めた頼朝は、1通目で以仁王側の優勢を知りうろたえて、2通目で挙兵の失敗を知りほっとする。

東国は京の情勢にほんろうされるのに、通信手段が手紙しかなく、内乱のスピード感に情報が追いついていない感じ…。東国から京への情報も同じことが言えるので、頼朝挙兵後の京での様子がどう描かれるのか楽しみです。

早とちりと夢で時代が動く

三善康信から送られた3通目の手紙で、頼朝はいよいよ挙兵を迫られました。平清盛以仁王の挙兵に加わらなかった源氏にも追討令を出した、というもの。

実はこの手紙、近年の研究では康信のはやとちりと言われているらしい。京と東国の情報のもどかしさ…!

頼朝の挙兵決断のダメ押しになったのが、夢に後白河法法皇が現れて「挙兵してよ〜」っとお願いされたこと。(ところで後白河法皇は本物も某ステキな金縛りの落武者のような感じなのか、あくまでも頼朝のだからゆるかったのか、本人の登場がますます楽しみ)

この時代の人々は、夢のお告げを信じている。平安末期とはそういう時代、というざっくりしたナレーションがよかった。

早とちりの手紙をきっかけに、夢を信じて本物かわからない勅旨を大義名分に誰のものかわからないドクロに挙兵を誓う。不確かなものばかりよりどころにして時代が動いていくのが、末法の世の乱世への突入を感じさせるラストでした。

第4回「矢のゆくえ」

www.nhk.or.jp

矢をつがえる八重、なんで…!?

あんまり兵が集まっていないっぽい。

頼朝「こりゃあ負けるぞ…」

毎回予告に頼朝のネガティブ発言が使われている気がする。ほとんど大泉洋本人のぼやきでは笑

次回も楽しみです!

 

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