舞台『刀剣乱舞』〜十古伝 あまねく刻の遥かへ〜の東京公演を、観劇してきました。
3月の話ですが、下書きが残っていたので公開しておきます。

刀剣乱舞はポケットが実装された頃(2016)から、山姥切長義が実装された頃(2018)くらいまではまっていたのですが、新規刀剣を手に入れるハードルが高すぎてだんだん離れていってしまってました。今でもほんのり好きなコンテンツなので、声かけてくれる友人がいてありがたいです。
山姥切国広の足利市美展示や歌仙兼定文京区スタンプラリー行ったなぁ。京博の刀剣展も行ったし…。懐かしい。
山姥切国広が結構好きで、山姥切長義ゲーム初登場時にゲットできなかったのが残念だった記憶。今回ご縁あって長義メインの舞台を見られることができて感慨深い。
- 今作の話
- 舞台演出
- 大典太光世とソハヤノツルキにまつわる死の物語
- 小烏丸と七星剣にまつわる生の物語
- 北谷菜切と笹貫にまつわる流れゆく時間の物語
- アンサンブルの方達の身体能力に毎回驚く。
- 男性キャストだけで歴史を描く難しさを感じた
今作の話
刀ステは過去に2回見たかな? 多分、大坂冬の陣と夏の陣を見た。
刀剣男士たちのお話はもちろんだけど、歴史上の人物たちの描き方が、毎回、そうきたかー!と思わせられて楽しい。
今回も、刀剣史研究者や刀の試し切り役人をテーマに選ぶところが、刀剣乱舞ならではですごく面白かった。
舞台演出
固定された1つの舞台装置に対して、映像演出や小道具の入れ替えを駆使して四つの舞台を作り出していたのがすごかった。
下手側から見ていたけど、試し切り役人の家の卒塔婆が現れる場面、漂流する笹貫と北谷が海上を俯瞰する場面、親鸞入滅時の北斗七星が現れる場面が特に印象に残っている。美しかった。
鎌田先生の研究室は、本棚がうつしだされて、静かで幻想的。安楽椅子探偵の推理場面って感じで緩急がついていた。
大典太光世とソハヤノツルキにまつわる死の物語
刀ステのストーリーは、人間の目を通して見る歴史と人ではないモノ(刀剣男士)の目で見る歴史は感覚が違うよねっていう切り口が好き。今作では特に江戸時代の試し切り御用に対する大典太光世の優しさにそれを感じた。
現代の人間の目から見ると野蛮で忌むべき風習と受け取られる恐れがあるけれど、当時の人々にとっては必要な制度だった。では、人を斬るために作られたのにその機会を与えられずにしまいこまれていた刀剣にとっては…?と脚本家の繊細かつ豊かな想像力がよい。
試し切りの家の当主の葛藤の場面が特によかった。穢れを切り捨てずに引き受けて務めを果たしていく覚悟。
ソハヤの「江戸時代には必要な役割だった」(うろ覚え)というセリフもよかった。刀ステの歴史の取り扱い方は本当に良い。
刀の試し切り御用は江戸時代までの役割かもしれない。でも、汚れとされるそして誰かがやらないと社会が回らない仕事を、粛々と担ってくれている人は現代までずーっと存在しているんだよなぁ、なんて考えさせられました。
刀剣男士勢揃いした後に、一振りずつ銘を叫ぶ妙魚さん、完全に客席の審神者の代弁者。
お約束のラストの殺陣、今回もカッコよかったー。そのうち決め台詞で、「待ってました!」などの大向こうが出てこないだろうか。
(このとき、「刀かぶ見たいな」と思っていたのだけど、7月に見られました)
小烏丸と七星剣にまつわる生の物語
小烏丸と七星刀の古刀コンビもよかったなぁ。ゲームでは幻想的で人間離れしたビジュアルなので、リアルな人間が演じる難しさは大きかったんじゃないかなぁと思うけど。
軽やかな小烏丸と真面目な七星剣という違うアプローチで、人ならざる考えや時代の降った刀剣達とは違う神秘性が表現されていてよかったなぁ。
小烏丸は本作でステ出演3回目。演者さんもすっかりものにしているようで、余裕のある軽やかな演技でした。茶目っけのあるステ小烏丸は近寄りがたいゲーム小烏丸とも違っていてよき。
テーマが親鸞というのもいい。各宗派の祖達は、伝承や諸説に彩られていて神秘性が強く、古刀2人と相性のいいテーマだなぁと思う。
北斗七星が浮かび上がる舞台演出の美しさも印象に残っている。
北谷菜切と笹貫にまつわる流れゆく時間の物語
北谷菜切かわいかったー!
笹貫はやたらと色気があった。
日光一文字の堂々たるあり方と、ちょっとボケにまわるギャップがよかった。
だれに打たれたのか、どこに奉納されたか、どの家に伝来したか。日光一文字という刀にまつわる来歴全てに誇りを持って揺るがない様子を俳優さんが堂々と演じていたなぁ。
クールキャラかと思いきや急に真顔で法螺貝吹き始めたり。それとも法螺貝は誇りの表れだったのだろうか。無駄にキビキビしたお料理ダンス最高でした。
長義の葛藤は、最低限ゲームで回想をひととおり見ておく必要があったなぁ。あまりピンとこなくてもったいなかった。
査察官が自分だったこと、バレていないと思っていたのか…。このあたりの解釈は各本丸によって色々考えられそう。
鎌田さんにポンポンされてるところや沖縄料理ミュージカルで、嫌々ながらも付き合い程度に踊っているところ、根が真面目な性格が出ていてよかった。
アンサンブルの方達の身体能力に毎回驚く。
刀剣乱舞の2.5次元て、時間遡行軍をどう演じるかがものすごく重要だと思っている。時間遡行軍が弱そうだと、刀剣男士達がそんなに強そうに見えなくなってしまう。
今回も時間遡行軍の自在な動きや、不気味な雰囲気を醸し出す、アンサンブルの方々の体の使い方がすごかった。
高低差のある舞台上をぴょんぴょん飛び跳ねながら、人外の動きをするんだもの。
終盤に長義と一騎打ちしていた大太刀の迫力に驚いた。どんな衣装?補正?をしているのだろう。
その時代時代に生きた名もなき人々の演出も素晴らしかった。
昭和20年、寛永4年の試し斬りされた人々の怨念、琉球王国400年の王族の幻影、陽気な料理人達、仏に救いを求める鎌倉時代の人々。
アンサンブルの人々が見事に世界観を作り替えていた。カーテンコールに出てきた人数が少なくて、これだけの人数で作り上げていたなんて!と驚きました。
ほんとすごい!
男性キャストだけで歴史を描く難しさを感じた
刀剣乱舞というコンテンツが大事にしてきたこだわりだからしかたないことではあるのだけど、歴史を描くとなると女性がほぼ不在なことに違和感があった。
- 刀の試し切りの家に嫁ぎ子を成した女性たちがいて、当主とともに葛藤を背負っていたんじゃないだろうか。試し切りされる罪人に女性もいたんじゃないだろうか。
- 聖徳太子と呼ばれた人々の功績を語るのに、推古天皇が一切登場しないのも気になる
- 琉球王国は詳しくないけれど、語るに外せない女性たちはいただろう
- 親鸞の生涯を描いて鎌倉新仏教を語るのに、女人往生に触れていないのも物足りない。(親鸞聖人の妻をさらっと出すのはOKなら、モブ信者にも女性がいてもいいと思ったけど。)
最後に見た刀ステに、話の要として高台院が出演していたことでお話にグッと深みが増していた記憶があるので、久しぶりに男性の役のみで構成された刀ステを見て少し物足りなかったのだと思う。
刀剣乱舞は宝塚とも親和性が高いので、いつかやってくれないかなぁ
その時は大奥とかを舞台にして、がっつり女性主体の歴史を描いてくれないだろうか。
(2023年の「禺伝 矛盾源氏物語」はそういうことをやりたかったんだろうか。見られなかったのでわからないのだけど。)






